2014年 映画ベスト5 | 焔と煙霧

2014年 映画ベスト5

あけまして、今年もよろしくお願いします。

例のごとくのベスト5、去年は一年を通して体調がびっくりするくらい悪く(医者巡るも原因不明、やはり東京生活が根本的に合っていないんだと勝手に思っている)、休みは家でぐったりしていることが多かったので、従って映画もあまり見れず(劇場は16本・・・)、その中でよかったものを、一応今年もつけておくか程度なので、興味のない方はどうぞ見飛ばしてください。

しかし2014年は則文先生も文太兄も死んでしまって、別に彼らが新たな映画を作ることなんて期待はもちろんしてなかったのだけど、何か心にぽっかりと空洞ができたよう。精神的支柱を失ってしまった今、もう映画なんていうのは金輪際追いかけることもなく、トラック野郎だけ見てればいいんだとすら思えてくる。トラック野郎ほどパンクに合う映画はないよほんと・・・。悲し悲しや・・・。

以下順不同。旧作まで含めてしまったが、鈴木則文オールナイトと同追悼企画を入れたらベスト5すべてが埋まってしまうので、そこは外した。

  • 郊遊<ピクニック>
    台湾の映画ってそんなに知らないけど、これまで見たツァイ・ミンリャンの映画はどれもよかった。この最後の作品のラスト、廃墟のあの絵の前でポケットウイスキーを3本空けるシーンは見事というか、喪失の塊が現前にあった。
  • スノーピアサー
    列車版「ハイーライズ」! 階級闘争をああいうかたちでポンといとも簡単に描ける器量のあるポン・ジュノ&韓国映画人は素晴らしい!
  • リヴァイアサン
    Mastodonを聞きながら作業するマサチューセッツはニューベッドフォードのラフな漁師たちと目玉が飛び出す魚たち、それを啄ばむカモメたちすら同列に撮られた妙な映像体験だった。GoProって色々できそうだね。
  • 札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥 
    ATG的な地方の感傷を蹴散らす芹明香の放尿! そういや劇場にヒモ役の方がいらっしゃいました。
  • エレニの帰郷
    アンゲロプロスの遺作、開巻一番東映の三角マークとは余計な涙を誘うよう。アンゲロプロスはこの映画の1999年のベルリンのUバーンで、モヒカンのパンクスを老人たちとは逆の方向へ走らせたが、あの意味はこれからもずっと考えるしかないと思う。

『インターステラー』や『ニンフォマニアック』(あの日本特有のまたぐらモザイクは、映画の意図を見事に消し去ってたよ、クソだね!)とかも、見終わった直後は多少高揚したが、改めて思えば数ヵ月後には忘れ去っているような程度のインパクトなのかも知れない。上記映画はその中で、まだそれらよりは多く、いくつかの記憶しているシーンがあるというだけのことかもしれないが。あ、でもインターステラーの5次元のシーンはかなり良かったな・・・。

その他DVDで見たのだと、『旅立ちの時』という、これまた亡くなってしまったL.M.キットカーソン(私の好きな『パリ、テキサス』と『悪魔のいけにえ2』を書いた人)が出ていた映画はよかった。これ日本の左翼とは対照的だなと。父は家族まで巻き込んで、その息子はそこから「自分」を見つけるたくましさ。日本の「兵士」で翻案して映画化したらどうなるんだろうか。子供はいじめられて自分探しどころじゃないか、父親の人生が認められずにグレるか。

去年のベストを見て思い出したが、一番楽しみにしていた『シュトルム・ウント・ドランクッ』は、ヒジョーに残念ながら久々に見てしまったダメ映画だった。「大正ロマン」と「革命」が見たいならば、牧口雄二ですら(と言ったら大変失礼だが)『玉割り人ゆき』でしっかりと大杉の復讐に燃えるアナキストを描いてるよ! 神代辰巳の『宵待草』も正にそう。よく知った顔がスクリーンに登場するのは新しい体験だったが、あれだけ「人物」が描けていない映画も珍しい。『セブンスコード』はまあまあ面白かったというか、これとか『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』みたいな黒沢清のアクション・センスをもっと見せろ!と思う一本だった。

というわけで、今年は去年よりは健康になって、もっと映画を見たいと思うところだが、おそらくそんなに見ないでしょう。ようやく現自宅にVHS環境を復活させたので、まだ見ていない積んビデを消化することとします。

sokubun

04. January 2015 by sats
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