たいへんな国の遣る瀬無い学生

話が前後するが、先週私はギリシャの北東にあるクサンティという小さな街にいた。学生がたくさんいる街だ。

こちらの大学は学費というのはかからないらしいが(何と羨ましいことか)、その代わりになのかありえないくらいの課題を出され、真剣に勉強しないとパスするのが難しいテストが屡々あるらしい。私が滞在した6月というのが正にそのテストのシーズンで、みな重たい教科書を持って勉強に励んでいた、日中は。
そしてそのウサを晴らすかのように、陽が沈んでからは1本1ユーロの安いビールを朝まで飲む。ユーロ導入で物価が3倍になって皆常にお金がないのでずっとお店で飲むわけでもなく、道端でダラダラと、向日葵の種をアテにアホなことを喋りながらダラダラと・・・。

平日の深夜2時。


「怠惰なギリシャ人」というネガティブな印象はこういう部分に起因するのかもしれないが、この季節、21時ごろにならないと陽が落ちず、人によっては夜遊ぶためにシエスタを取ってから街へくり出す。ある日は丁度ユーロカップのギリシャ戦がやっていたが、どのカフェも大型テレビを外に設置して人々は街にあるあらゆるカフェに大挙押し寄せ、まるでサッカーにこれからのこの国の行方を仮託したかのように皆で一喜一憂していた(そのおかげか予選リーグは突破したらしい)。

日本のニュースでも見かけたが、ギリシャの現在の若者の失業率は50%を越え、当事者に言わせれば実態は更に悪いと言う。滞在中遊んでいたテミス君(23歳)は土木工学を専攻しているが、あと1年半通って卒業したところで仕事はあるわけはなく、かと言って大学生でいられる期限もあるためいつまでも学生ではいられないというジレンマを抱えて生活している。更に卒業後には9ヶ月の兵役義務が待っているらしい。「日本にシュブラキ(串刺しで焼いた肉や野菜、フライドポテトをピタに挟んだギリシャのファストフード)の店がないならそっちで開業しようかな。」と冗談で言っていたが、日本のハードコア・パンクが好きな彼からすればそれも夢のようだが現実的な生活なのだろう。ギリシャにいるよりはまだ道が開けるのかもしれない。
ちなみに私を泊めてくれていたタソス君(22歳)は、同じく学生にも関わらずまったく勉強をせずにギターでスラッシュメタルのコピーばかりして、ネットでLine6のマルチ・エフェクターの価格が下がるのを毎日チェックしていた。来期頑張るとは言っていたが・・・。

タソス(左)、テミス(右)


先日の選挙で緊縮策を受け入れ進めることを選んだギリシャだが、彼らのような若者が卒業後無事に仕事に就ける日はやって来るのであろうか。まあそれを言えば日本も似たような状態である。ギリシャを知ることはこの先の日本を知ることである。

20. June 2012 by sats
Categories: greece, people | Tags: , , | Leave a comment

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