ベルリンのレコード屋、スクワット、あるライブ

ベルリンでは完全に一介の観光客と化しているので、毎日ミュージアムに行ったりブランデンブルク門やベルリン大聖堂を見たりして時間を潰している。

またAlte Nationalgalerie(旧国立美術館)に所蔵されていたスイスの画家アーノルド・ベックリンの『Die Toteninsel(The Isle of the Dead)』(第三バージョンだが)を遂に見ることができたのは、各地の地元の友人たちに会うという目的を除いたら、今回の旅のハイライトであった。元々ベルリンに行く予定もしていなかった分、余計に嬉しい。本当は第一バージョンを見にスイスにも行きたいのだが・・・。

さて、こちらのハードコアパンク、ドゥーム系のレコード屋について。
フェイスブックで知り合いだったベルリンのYellow DogというレーベルのSvenがやっているHops & Barleyに行ってベルリンについて色々聞いたところ、Coretexというレコード屋が一番いいと言うので行ってみた。


正直ここにはお目当てのものは何もなく、どちらかというとマッチョなハードコアが多めであった。奥にはチェックする気力が失せるくらいの物凄い数のTシャツやパーカーも売っていた。
ここはUバーンのU1線、Gorlitzer Bhfが最寄の駅だ。駅前のファラフェル屋は涙が出るほどうまかった。


次に行ったのは、日本やマケドニアの友人からいいと聞いていたStatic Shock Musikここのオーナーのイフィという陽気なナイスガイは、先日のSotatilaの日本ツアーに同行していたらしく、日本で起きた面白い話を色々してくれた。ここはレア盤やハードコア・パンクの新作などを網羅するお店で、日本のレコードもかなりたくさん扱っていた。色々購入したものを日本に送るのに箱をくれパッキングしてくれたり郵便局まで一緒に行ってくれたりとイフィは手伝ってくれた。ありがとう!
ちなみに彼がドラムを叩くDiatというバンドのレコードがIron Lung Recordsから出た。いい繋がりである。

またここの近所にも中古のレコード屋が一件あり、そこはジャンル問わず夥しい数のレコードが並んでいた。
このエリアへはUバーンU8線の、Schoneleinstrasse駅が近い。


金も使い過ぎたしレコードはもういいやと思っていたが、先週ベルリンにいたマケドニアの友人(一緒にギリシャのバカンスをしたりスコピエで遊んだタテ君)が、ここはもっといいぞ、ドゥーム/ストナー系のレコードがめちゃくちゃ多い、と言うので、やはり行ってきた。Bis Auf’s Messerというレコード屋である。
ドゥーム、ストナー系やガレージ、エクスペリメンタル系の専門店と言っていいくらいの品揃えで、店内も小洒落ている。レコードの送料をケチってCDのみ購入したが、レコードも10ユーロ~と日本で買うよりも明らかに安い。先日のギリシャと比べてもずっと安い。ヨーロッパでリリースされている日本のバンドの音源も幾つか見た。
ここへのアクセスはSバーンのWarschauser Strasse駅から歩いて5分ほど。

どんな音源もインターネットのダウンロードでリリース直後からタダで手に入ってしまう昨今(そういえば日本の違法ダウンロード取締りの法律はどうなったのだろうか。逮捕者は出ているのか?)、CDは商品としての価値がほとんどなくなり、より物質的で蒐集的なアイテムとしてレコードの需要は以前より高まっているようにも思う、ヨーロッパでの話だが。レコード内にダウンロードクーポンを付けてデータファイルとしても聞けるよう配慮するレーベルも増えてきた。
違法ダウンロードはパンクだ!とか言って音源を購入せずにファイルだけ落としてあのバンドがかっこいいとか言っているのはどうかと思うが、まあお国の事情もあり購入する余裕のない人たちもいる。またこちらでは専ら映画のダウンロードなどは至って普通のことで、DVDを購入するなんてバカだぜという風潮すらあるように感じた。一生観れないだろう映画を観ることができるのはインターネットのお陰なのかもしれないが、何とも複雑な思いもする。

さて、スクワットの話も一つここで書いておきたい。
ベルリンの有名なスクワット、KOPIであるが、ここにはカフェもあるから行っておいでよとベルリンに来る前に色々な友人から言われた。なので単身住所を頼りに行ってみた。

入り口を入ると古いビルや廃屋が鬱蒼として建っていたが、そこに旅行者らしき二人組がいたので話しかけてみたところ、「あまり歓迎ムードじゃないらしいから、中には入れないっぽいよ。」とのこと。確かにここの住人や関係者らしき人たちは我々旅行者にはまったく注意を払うことがないどころか、明らかに無視をしているようにも思えた。二人組はなす術もなく、しばらくして帰っていった。一人ウロウロしていると入り口が幾つか見えたが勝手に中に入るわけにもいかず、ここの住人らしき人に聞いてみようと一人のパンク風貌に話しかけてみた。驚くべき返事が返ってきた。
「I am not an information(俺は受付じゃない).」
なるほど、スクワットにいる人たちが時として訪問者にこういった対応をしてくることは知っていたが、ベルリンの古いスクワットということで期待していただけに落胆も大きかった。誰か友人を介して行かないといけなかったのかもしれないし、話しかける相手が間違っていたのかもしれない。私みたいな旅行者がいつも大挙押し寄せていて彼は疲れていたのかもしれない。タイミングの問題かもしれない。でももう二度と行かないよ、KOPI。以前書いた「多様性の欠如」というやつだろうが、あの一部のスクワッターたちの傲慢で他者をバカにしたようなスノッビーな雰囲気は嫌いだということも書いておこう。ギリシャでは幸運なことなのか皆いい奴だったのか、友人を紹介して入ったからなのか、それを感じることはなかったのだが。残念である。

ある夜AgathoclesのライブがKOPI内のライブハウスでやっていたらしいがそちらには行かず、日本の友人から紹介してもらったIku Sakan氏主宰のイベントに行ってきた。大阪出身、ベルリン在住のアーティストである。場所は廃ビルのようなところで、機材を自分たちで用意して空間を作っていた。
ノイズ、インプロというようなものを私はそんなに聞いていないが、ドイツ人相手に素晴らしいパフォーマンスを見せるIku氏のパフォーマンスは素直にかっこよかったし、その後に出たDrum Eyesという日本人のシゲちゃんがやってるバンドは衝撃的だった。クラウトロックともインダストリアルとも言えるようなヘヴィなリフの反復に、時折キーボードやバイオリンが乗る奇天烈さ。いいものが見れた夜だった。

26. August 2012 by sats
Categories: germany, music, squat | Tags: , , , , , , , , , , | Leave a comment

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