20180109 -年末年始&松本編-

今年の年末年始は、相方akは国へ帰っているので私はひとり。久々に田舎でゆっくり過ごした。実家に帰るごとにやっているが、一向にまとまらない置きっぱなしの本やDVD、VHSを整理、ひたすら食べてNetflixを見て(「ボージャック・ホースマン」ようやく見終わった。Season 5が楽しみ)、年末年始も休みのない弟が仕事から帰ってきたら、酒を飲んでレコードを聴いて。ただ地元に遊ぶような友人はいないので(中学の同級から年賀状が来ていたが、「2人目の子ができた」「家を建てた」のダブルパンチで、新年早々いかにも世間一般の「地元らしさ」「36歳らしさ」の脅迫を感じ、ただまあ「真っ当に」生きてりゃそうだよねと再確認し…。彼は恐らくこのブログを見ていないでしょうが、見てたらごきげんよう。年賀状いらないからメールか電話ちょうだいね)、人がほとんどいない柳ヶ瀬の中、ワンコインで頑張っているロイヤル劇場で、高峰秀子が主演の木下恵介の映画『永遠の人』を見たり(なかなかドロドロした映画だった。田村正和がアカになってたよ)、名古屋へ出て昔のバンドメンバーと遊んだり、移転したノーリモースへ行ったり。こう書くとなかなか充実してるみたいだな。

今年は年が明けてから、松本へ行ってしばらく過ごした。松本周辺はいつ行ってもいいところだ。T君がいろんなところへ連れてってくれる。今回連れてってもらった諏訪の「片倉館」、昭和初期のゴシック建築温泉がおもしろくて、内装はあれは何なんだろうか、ギリシャ風とでもいうのか、そして大理石の大浴場の深い浴槽の底には黒い玉砂利が敷いてあって、歩くと気持ちいい。熱めの湯だけど。

あとは松本城の東側へ少し行ったあたりに、古民家古書店や古民家上映施設(?)があって、その古民家古書店・books 電線の鳥というお店は、少し本が置いてある土間から中へ、まるでお家にお邪魔するような感じで居間に入っていくと、なげしの上の棚や足元の小箱に古本が並べてあるというこれまでに見たことのないスタイル! 那覇の麻姑山書房もこんな居住スペース的販売スペースがあったが、こちらはテーブル、座布団もあってさらに「友人の家に遊びに来た」風。こういうやり方もあるんだな。福永武彦の「玩草亭 百花譜」だったと思うが、ケースの中に飾ってあったり、コーヒーやお茶も飲めて、落ち着いた雰囲気のいい場所だった。

その近くに小松方正の生家があったことはツイートしたので省略。

あと、松本に川島芳子記念館があるらしいということで行ってみた「松本市歴史の里」。松本インターからすぐのところにある、長野、松本に関係するものがごった煮的に集められた施設だが、行ったときが嵐みたいなひどい天候だったので早々と退散してしまった。そして昔の建物をそのまま使った施設はとても寒かった。野麦峠を越えた女工たちを思え、と言わんばかりに、その寒さもこの施設の体験の内なのだろう。
施設のメインとなる建物、明治時代の松本地方裁判所がそのまま残っていて、建物内、奥の法廷で当時の裁判の様子を録音テープで疑似体験できるのだが、再生されるテープの伝える被告の名前は鈴木さんで、検事の言によれば2人くらい人を殺していたので、私は困惑した。

鈴木さんを有罪にしようとする検事

鈴木さんを有罪にしようとする検事


nomugi
あとは先述の野麦峠関連の建築物が移設されたものや、それと比べるとずいぶんと豪華な木下尚江の生家、あと戦後に実際に使用されていた松本少年刑務所の独房なんてのもあった。「独房に入ってみよう」コーナーがあり、外から鍵がかけられるので、二人で行ったら簡単に一人を閉じ込めて帰ってこられる体験型施設だ。川島芳子の記念室(記念館と言うほどの規模ではなかった)は写真や新聞の切り抜きなどの資料が展示してあるだけだが、その隣の廊下にひっそりとシベリア抑留関連の展示があって、抑留時に実際に使われていた道具類やペラペラの防寒具など、こちらの方が真に迫るものがあった。中でも吉田勇という抑留者の描いた「戦友の葬式」という1枚の絵が見もの。この動画の方のようだ:

松本の夜は毎度のごとく、Cさんのところですしを頂いて、夜遅くまでダラダラといろんな話をしたのでした。

例年、年末年始は浮かれるよりも、ああまた別の1年がやってくるんだと気怠くなる方だが、今年は友人たちのおかげもあり、あまりそういう気分にはならずに済んだ。テレビやネットを見れば、相変わらずどうしようもないニュースや情報ばかり入ってきて気が滅入るが、正月が明けたら会社に行かなければならない、という圧迫感が今年はないからかもしれない。ちょっと先まで仕事がない、という別の切迫感はあるんだが…。

09. January 2018 by sats
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2017年 映画ベスト

さて、今年ももう終わりなので、毎度のごとくこれを一応書いておこうかと。
今年もそんなに劇場で映画を見たわけではないので、去年書いたようにもうこんなことはやめてしまってもいいのだろうが、まあ惰性とメモ代わりに書いておきます。
今年は劇場で見たのが31本、内新作は16本。去年よりは増えたがそれでも一時期よりは少ないなあ。
以下順不同です。

  • ゲット・アウト(2017年 アメリカ/ジョーダン・ピール)
    これは今年ずばぬけて良かった。監督はコメディアン出身だそうで、役者の細かい仕草などが、「リベラル」な人たちですら(というか「リベラル」だから、という意味なのかもしれないが)心の底に持っているレイシズムをあぶり出すのに一役買ってて素晴らしかった。主役がラストで捕まるというオリジナルのエンディング版も見てみたいが、あまりにバッドすぎる。
  • ELLE エル(2016年 フランス/ポール・ヴァーホーヴェン)
    イザベル・ユペールはもちろんだが、他の登場人物もかなりハチャメチャで、あんな内容なのに見終わって爽快感すら感じさせるのは、さすが巨匠バーホーベン、恐れ入りました。
  • フリー・ファイヤー(2016年 アメリカ/ベン・ウィートリー)
    銃で撃たれても、そんな簡単に人は死なないらしい。去年の『ハイ・ライズ』、その前の”A Field in England”みたいなサイケなひねりはなく、この監督は分かりやすい活劇を撮った方がいいのかもしれない。
  • 予兆 散歩する侵略者 劇場版 (2017年 黒沢清)
    『カリスマ』や『回路』から『叫』くらいの黒沢清作品の延長みたいな画面の暗さ、禍々しさが、本編『散歩する侵略者』より明らかに不穏だった(もちろんあっちはあっちで良かったけど)。東出が言いました、「死はいつだって隣にある。これは運命だ。受け入れろ」と。TV版でちゃんと見たかったな。
  • 従軍慰安婦 (1974年 鷹森立一)
    1本だけ旧作。これは見れてよかった。なぜかクライテリオンからは出てる鈴木清順の『春婦伝』もそうだが、日本盤DVDを早く出すべきでしょう。

あとは『ムーンライト』はアカデミー賞を取ってなかったら恐らく公開されてなかったんでしょうが、映像もストーリーも美しい映画。韓国映画の『哭声』は、前にも書いたが色々考えた結果、韓国の田舎&土着文化礼賛の子供だましに遭ったような映画だったという結論になった。『お嬢さん』を見逃したのはどうやらバカでした。旧作だと、ようやく見れた『牯嶺街少年殺人事件』や、ヤン・ニェメツの『夜のダイヤモンド』は、前情報通り、さっさと見ておかないといけない映画だった。こういうのを逃すと海外盤DVDやBRのひどい英語字幕で見るしかなくなるので、見れるときに見に行くべき。
「町にある最後のレンタルビデオ屋が無くなるまで、ああいうネットのストリーミングサービスは使わない」とは、サンフランシスコの友人の談だが、私はそんなことお構いなしに今年はNetflixをよく見た。2,3年前に見逃していた映画が結構入ってたり(あと今はやたらと東映のヤクザ映画が入ってたり、「トラック野郎」も10作全部入ってる)、あとよく言われるように、ここ最近のアメリカのドラマは映画よりも予算があるからなのか、面白いものが多い。「グッド・プレイス」、「23号室の小悪魔」は腹がよじれるくらい笑ったし、まだ全シーズン見終わっていないが、「ボージャック・ホースマン」もそう、時々死にたくなるくらい救いがないが。他にも見たいけど見れてないのも多数あり。寝る時間を惜しんで見るしかなさそうだ。
海外盤DVDで見たのだと、恐らくフランス社会の「ルール」や階層になじみがなさすぎて(=基本情報の説明が映画内でされないので)日本未公開の、イザベル・アジャーニ主演の2008年の仏映画”Skirt Day”は、ライシテを徹底するアジャーニ先生と悪ガキ生徒たちとの文字通りの「戦い」が、その後の「テロ」をも予見していたり(よくわからないジョーク?もいっぱいあったが…)、akの好きな映画だと見せられた”Station Agent”(2003年 米)は、今や「ゲーム・オブ・スローンズ」で人気者のピーター・ディンクレイジが主役のオフビートコメディで、安易なクライマックス等もなくサラっと見れてよかった。あとは前に書いたが、カナザワ映画祭で字幕をやった作品で『ミュータント・フリークス』は最低で最高。『マッド・ボンバー』も、ラストの肉片から「♪あなただけなの」のエンディングテーマへの流れは、やばいものを見てしまった。
あとこれを書いておこうと思って忘れていたんだった。1963年の川島雄三監督『喜劇 とんかつ一代』で、以下の写真のような自走式レコードプレイヤーが出てきた。あまりにかっこいいのでほしくなったんだが、ネットを探しても、どこにもこんな再生機の情報はない! 情報求む!

この機械が机の上に置いてあるソノシートの上を、クルクルと回るのだ。

このでかいプリンみたいな機械が、机の上に置いてあるソノシートの上をクルクルと回るのだ。

来年は時間がありそうなので、たくさん新作を見たいところ。去年のベストで書いたヨルゴス・ランティモスやミヒャエル・ハネケの新作は、どちらも3月公開だそうで。楽しみ。
読んだ本や聞いた音源は来年書くとします。それでは良いお年を。

30. December 2017 by sats
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EL ZINE vol.28 -assembrage インタビュー/ Dave Dictor (MDC) 自伝レビュー

EL ZINE vol.28は12月22日発売です。

2017年最後のインタビューは、ちょうど今号発売と同じ頃に1stアルバム、” A Curtain Call of an Aeon”を、大阪のナイスガイで私のファスビンダー友達の田口君主宰・Guerrilla Recordsからリリースする、大阪のassembrageです。前号のG.A.T.E.Sとはまったく違った解釈で、メタルとハードコア・パンクを横断する彼らですが、今回発売される1stアルバムは、2014年の12インチ”A Wheel of Wrath”の延長線上にある、スウェディッシュ・デスメタルと日本のハードコアのハイブリッドな楽曲が、そこらのそういったバンド(ってあまりいないか)より段違いに高いクオリティで、特に私は彼らの曲のリフが好きなんですが、相変わらず聞かせる曲ばかり入った素晴らしい作品です。「ブラッケンド」とかいう、よくわからない形容詞が「ハードコア」の前につく昨今ですが、勝手な解釈をさせてもらえば、assembrageはそういったチープな響きの即席サブジャンルを(本人たちはその気がなくても)一掃するようなバンドでしょう。そもそもデスメタルもハードコア・パンクも、音楽的な側面に限らず、真っ黒い部分をそれぞれもとから内包し、そしてその黒さが美しいから魅了されるわけで。
さて、今回のインタビューではそのあたりの曲作りのことも含めて、ギターのKaneuchi氏とドラムのOsamu氏を中心に、バンドのことはもちろん、シーンの世代間の差異や、最近聞いてる地下アイドルまで(笑)、色々聞きました。
アルバムのお供にぜひどうぞ。
新アルバムより↓

あと今号では、今年2月に初来日して感涙もののパフォーマンスをみせてくれた、アメリカン・ハードコアの生き証人・MDCの首謀者、Dave Dictorの自伝 “MDC: Memoir from a Damaged Civilization: Stories of Punk, Fear, and Redemption” (Manic D Press)の書評も書かせてもらいました。この本は、その2月の初来日時の物販で買ったもので(デイヴのサイン入り!)、彼の生い立ちから、80年代初頭のアメリカン・ハードコア黎明期~”Rock Against Reagan”~90年代のSUBMISSIVESなどもはさんでの現在に至るエピソードの連続で、実におもしろい! 今回は、書評というよりもそのエピソードの紹介に始終していますが、レーガン政権やキリスト教、KKKなどのレイシズム批判など、いわゆる「政治的」なアティチュードだけでなく、ハードコア・パンクシーン内の男性主義やセクシズムに対して、一貫して批判的な姿勢をとってきたデイヴ・ディクター氏の行動や書いたものを読んで知ることで、現在に反映できることもきっとあると思います。何てったってMDCは現役バンドで、来年1月~2月にかけて再来日も決まってるから!
MDC Dave Dictor

毎度のことですが、発売後は販売用に数冊在庫があるので、ほしい方は nakanakananke@gmail.com までメールいただければ。600円+送料100円です。


v28
EL ZINE vol.28

●Linnea Olsson
(スウェーデンのメタルパンク・バンドSONIC
RITUALのギタリストにして、一時期はフィンランドのポスト・パンク・バンドBEASTMILK~GRAVE
PLEASURESでも活躍、現在は自身のソロ・プロジェクトMAGGOT HEARTでギター・ヴォーカルを務めるLinnea
Olssonへのインタヴュー)

●Linnea Olsson関連バンド紹介
(Linnea Olssonがこれまでに関わったバンドの紹介テキスト)

●assembrage
(12月にアルバムをリリースする大阪のデスメタリック・ハードコア・バンドassembrageへのインタヴューby 鈴木智士氏)

●908 Japan Tour 2017レポート
(10月にジャパン・ツアーを敢行した、米国デンバーのグラインド・コア・バンド908のメンバーによるツアーの感想)

●THE TITS
(1stシングル「対人嫌悪」をリリースする東京のハードコア・バンドTHE TITS。そのヴォーカルである狂介氏へのインタヴュー)

●Recordshops Recommended Records 2017
(レコード店さんに、2017年にリリースされた音源の中からオススメの作品を5枚挙げてもらいました。参加して頂いたレコード店さんは :
ANSWER(愛知)、BASE(東京)、BOY(東京)、DIGDIG(岡山)、DISK
UNION(関東&大阪)、KNOX(茨城)、MISERY(広島)、NAT(東京)、PUNK AND
DESTROY(大阪)、TIMEBOMB(大阪)、WATERSLIDE(東京))

●45 REVOLUTION
(東京/下北沢のパンク・ショップ45
REVOLUTION。その店員であるエビネ氏(REDNECKS)へのインタヴュー&写真で綴るエビちゃんの一日by
Shogo氏/ALTERNATIVE SOLUTION)

●Mark from Beach Impediment Records & AGGRESSION PACT
(米国リッチモンドのハードコア・レーベル、Beach Impediment Recordsの主宰者にして、ex.WASTED
TIME~現在はBOSTON STRANGLER等のメンバーと共に、AGGRESSION
PACTで活動しているMarkへのインタヴュー。その後半)

●Umea Punk City
(ex.AC4~現ACID BLOODのKarlによる、スウェーデンUmeaの現地情報コラム)

●The History of ABUSO SONORO
(90年代~00年代初頭にかけて活動していたブラジルのクラスト・コア・バンドABUSO SONORO。メンバーだったAngelo
Brunoによるバンドのヒストリー)

●EEL
(米国ピッツバーグのノイズ・コア・バンドEELへのインタヴュー)

●高知ハードコア・シーンTRASH NOISE VIOLENCEレポート
(高知のハードコア・シーン・レポート&高知で活動しているパンク/ハードコア・バンドの紹介by井上氏/K-CLUB/CHAOTIC NOISE)

●ヒサネfrom NONONO
(再結成を果たした茨城の女性ヴォーカル・ハードコア・バンドNONONO。そのギター・ヴォーカルであるヒサネ氏へのインタヴューbyツトム氏/悲観レーベル)

●乳~にゅう~
(東京のイタコ・パンク・バンド「乳~にゅう~」へのインタヴューbyツトム氏/悲観レーベル)

●ハードコア・パンクとポスト・パンクが融合する瞬間の熱量
(ポスト・パンクの発生から、現在のポスト・パンク・リヴァイヴァルに至るまでを綴ったコラムby骸a.k.a. Guy氏/disk shop
Misery/bloodsucker/ORIGIN OF M)

●書評 MDC:Memoir from a Damaged Civilization~
(2017年2月に初来日を果たし、2018年1月には再来日を予定しているMDC。そのヴォーカルであるDave
Dictorの自伝「MDC:Memoir from a Damaged Civilization~」の紹介by 鈴木智士氏)

●LASHING SPEED DEMONS:HUSKER DU
(アメリカン・ハードコア・バンドHUSKER DU の詳細なバイオグラフィーby 大越よしはる氏)

●チャレンジ・インタヴュー
(コンノツヨシ(aka TOFU 666)氏[DESPERDICIO])

12月22日発売予定

12. December 2017 by sats
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フリーランスになりました

夏に会社勤めを辞め、また無職、もとい、フリーランスになりました。
何のフリーランス? 一応日本語と英語の間の翻訳をやります。が、まあいわゆる「ビジネス翻訳」とか「産業翻訳」という類の事務的なものや、あと少々の映画の字幕翻訳を中心に、糊口をしのげればなあと。まあつまり、基本的にヒマなので、空いた時間で何か書いたり作ったりできればいいなと思っています。あと翻訳したい小説もあるので、一応それなりに裏では動いているんですが、どうなるやら…。友人に相談したところ、「売れても200部くらいだろうから、やめたほうが身のため」と止められましたが…。
しかし翻訳も単価は下がる一方のようだし、例のネトウヨ仕事も蔓延しているらしいランサーズみたいなところだと、クオリティも単価もピンからキリまで玉石混交、ああいうのにはなるべくお世話にはなりたくないもの。
あとはたまにウェブ媒体で筆名で記事を書いてお金をもらってた仕事も、最近はまったくお呼びがないので、何かやらないといけないな。個人的には英語のライティング能力をものすごくちゃんとして、相方akの力も借りつつ日英翻訳の仕事をやりたいところなんですが。努力します。
というわけで、日本語と英語の翻訳がらみのお仕事、書き物の依頼はいつでもお待ちしています。
メール: nakanakananke(at)gmail.com

さて、仕事を得るためにはセルフプロモーション。ということで、最近翻訳関係で何してたかを適当に書いておきます。

去年はアホみたいに手伝って、楽しい思いも狂った経験もいろいろさせてもらったカナザワ映画祭。いろんな意味でノートリアスな映画祭、去年で終わりのはずだったけど、まあ大方の予想通りそんなことはなく、今年はO代表が日本全国を巡業する旅芸人スタイルで復活。相変わらず変なこと考えてるなあということで、各地で上映した映画の字幕作りを、去年ほどではないけど今年も手伝いました。
結局現場には行けなかった、羽咋の「宇宙怪談大会」では(怪談大会と言えば、もう何回も書いてると思うが、2010年の横山茂雄先生と高橋洋監督の「オカルト対談」で見せられた、タミル映画「アマン」のあのシーンは未だに忘れられない)、『宇宙人の聖書』という謎のSF映画などをやりました。ラストシーンで、最後のモンスターを倒して体力消耗クタクタのザックリーが一生懸命自分のことを説明しているのに、記者のおねーちゃんがひたすら「あなたは誰なの、わからないわ、私たち英語で会話してるじゃない」と理解もしてあげずに冷たく言ってしまうシーンの理不尽さが好きです。トレイラーだけ貼っておこう(youtubeに全編あり・・・。何でもあるな)。

あと小倉の「フィルマゲドンIII」でかかった『ミュータント・フリークス』は、最高のテンポで飽きるくらいに次々と出てくるあまりにくだらないジョークが、作業しててほんと面白かったんですが、10代の頃、Sockhead役のボブキャット・ゴールドスウェイトが世界で一番面白いコメディアンだと思ってたらしい相方akに説明してもらいながら、当時のテレビ番組やらCMやらのパロディを噛み砕いて訳していく作業も、やっぱ字幕翻訳楽しいなと思える瞬間でした。こういう当時の細かいネタは、実際に経験してないとほんとわからない。
この映画のオープニングは、昔SSTからアルバムが出てた変態インストバンドのBlind Idiot Godの演奏をバックに、ヘンリー・ロリンズが”Freak freak!”叫んでてかっこいい。他にもButthole SurfersやPファンクとビル・ラズウェルのコラボなんかも劇伴で登場。そもそもこの映画は、「The Idiot Box」というMTVのコメディ番組の制作陣をもとに、Butthole Surfersを主役にする予定だったとか何とか。
1993年のこの映画、今やPC的にきわどい(というか完全にアウトな)ブラックジョークもあるので、恐らく日本盤DVDなんて出ないでしょう(アメリカではDVD出てて、youtubeにも全編あり)。見れた人はラッキーです。ただストーリー自体は、モンサントみたいな悪徳大企業&エライジャ・C・スカッグスという見世物興行師に、奇形にさせられ見世物をやらされているフリークスたちが、自分たちの境遇を不遇とも思わず自らの生を楽しみながら、ついに団結(?)してラディカルなダイレクト・アクションを起こす、もとい反撃する、とてもいい映画だと思うんですけどね。

その他、去年の上記映画祭で知り合った友人がスタートさせたクレイジーな企画、「『ロボコップ』30周年記念4K爆音上映」もちょっとお手伝いしています。私世代の人は、『ロボコップ』は小さい頃にテレビで見て怖い思いをしたんじゃないかと思うけど、バーホーベン監督がどんな人なのかを知ってから改めて見ると、本当に容赦ない暴力描写でちょっと引きます(そういえば『ELLE』はマトモな人がひとりもいなくて最高だった)。
これはかなりぶっ飛んだ上映会の企画だと思うので、クラウドファンディングも成功したし、とても楽しみ。

あとEL ZINE vol.26に載ったZAYのインタビューを英訳したものが、もうすぐMaximum Rocknrollに載るはずです。前回のフィリピンパンク特集号はひどくテキトーにカットされていたので、今回は入稿時に一応「勝手にカットしないでね。するときは相談してくださいね」と伝えておいたが、結構な文量なので全部載るのかは知りません。今や全米で一番のパンクス大集合イベントになった(?)Manic Relapse周辺なんかは、Contrast AttitudeやD-cloneの影響を受けてバンドやってる世代が結構いるだろうから、ZAY聞いたらすげー困惑するんだろうな、というのは密かに楽しみです(笑)。音聞く前にインタビュー読んでもらえれば、多少は免疫もできるでしょう。

さて、こんなことを書いている外では、選挙カーがまた朝から晩までやかましく走り回っているわけで、もうアズマン(って気軽に呼んだが、ロクに著書を読んだことはない)まで「今回の選挙は棄権しよう」とか呼びかけてるそうで(文芸評論家の岡和田晃氏が、「最悪なのは、署名用サイトを使って棄権を呼びかけてる東浩紀だ。(中略)自説への支持を数値化したいという欲望の発露にしか見えない」(図書新聞 3323号)って言ってたのに笑った)、今回に限らずそう言ってる身としては何かちょっと腑に落ちない気もしますが、「リベラル」、自民支持問わず、「政治」を信じてその一部になりたい人は行けばいいし、そうでなければ行かなければいいだけの話。個人の選択です。バイアスのかかりまくったツイッターばかり見てたら、リッケンミンシュトーが躍進するんじゃないかとか思うのかもしれない、そう信じたいのかもしれないが、まあ毎回のごとく日曜の夜8時過ぎには大勢は判明するのでしょう(そういや今度の日曜の夜は、最近はロシアにはまっているという韓国の友人がやってくるので一緒に遊ぶんだ)。

選挙の度に書いてる気がするが、せめてパンクとかハードコアとかを通ったのなら、「権力に加担しない」ということは、この文化の根幹の部分なわけだから、その「権力」が何なのかをその都度ちゃんと考えたいものです。ただ相方akは社民党の党首の困惑した顔をテレビで見て、「かわいそうだから入れてあげなよ」と言ってたり(ちなみにakは外国籍なのでもちろん選挙権なんてないですよ、国民年金は払わされてるけど、「国民」じゃないですから、はははは)、あと私の選挙区には、自民党のあの「うちわ問題」辞任の松島みどりが性懲りもなくまた立候補してるので、あれは是非とも復活してほしくないなと思ったり…。

まあこんなこと書いてたら絶対仕事はもらえそうにないな。自分でできることを進めつつ、まあそれでもこんな私に仕事任せてもいいよという奇特な方は、連絡お待ちしてます。

18. October 2017 by sats
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EL ZINE vol.27 -G.A.T.E.S インタビュー

EL ZINE vol.27は9月29日発売です。

今回は、編集の山路さんからの依頼で、世界に”Metal Punk”ムーブメント(?)を同時多発的に発生させた張本人、二ツ木氏率いる現在進行形メタルパンクバンド、G.A.T.E.Sのオリジナルメンバー二人、そのギターの二ツ木氏と、ボーカルの根岸氏にインタビューしました。
私ごときが手に負えるバンドではないということはもちろんわかっていたので、以前話があったときに、やんわりと断った記憶もあったんですが(笑)、まあ他にインタビューしたいバンドもいなかったのと、ここ数ヶ月、二ツ木氏とよく話す機会があったこともあり、今回改めて、バンド”G.A.T.E.S”として、インタビューにお付き合いいただきました。

今号、他には、スキゾのツアーレポートはまた起床時間とかも書かれててすげー仔細なのかとか、悲観レーベルのも面白そうですが、まあ内容は買って読んでもらえばいいか。
さて、あけすけに言ってしまえば、このG.A.T.E.Sのインタビューは、今だからこそ、あらゆるものがオンラインで一度に楽しめてしまう若い10代、20代の読者(がそもそもEL ZINEにいるのかは私のあずかり知るところではありませんが)に読んでもらいたい内容なわけです。ハードコア、パンクの政治性ばかりに意識を向けてきた私のような偏屈な人間からすると、正直なところ、インタビュー中二人の話を聞いてて、「このオッサンたちは何を言ってるんだ」という瞬間がないわけでもなかったですが(笑)、政治性云々の前に、やっぱパンクもメタルもまず「音楽」だ、という内容で(「パンクは音楽ではない」という発言もありますが、それは読んでのお楽しみ!)、その「音楽」、換言すれば、バンドのメンバー4人がつくり出す表現はどのように生み出されるか、をある種赤裸々に話してもらってます。
とにかくこういうバンドをやっているのなら、胸を突かれ、かつあなたの頭をこんがらがらせながらも、最終的にはためになること請け合いです。否、良い子のみなさんはこんな大人になっては危ないぞ、というひとつの例なのかもしれません。でもそこに見えてくるものはきっとあるでしょう。まあどういった読み方であれ、私の世代も含め、若い人(何て言うの、ミレニアル? デジタル・ネイティヴ?)は「必読」と言っておきます。

例のごとく、発売後は手元に数冊在庫あるので、ほしい方は連絡ください。600円。送料は100円。
いつも2人くらいしか買ってくれないので在庫が余り、狭い部屋がさらに狭くなるので、どうぞお助けを。
そういえば、何か勘違いされている人がいるそうですが、こういったパンクのジン(少なくともEL ZINEは)やマキシマムロックンロールも、寄稿者に原稿料なんてびた一文出ませんよ(執筆者によるのかもしれないけど)。よくて現物支給なわけです。そういうエシックの上に成り立つものとして、みなやっているはずです。ギャラ目当てでないパンクのバンドをやるのと何ら変わりません。

インタビューはこの6月のブルックリンでのライブの話から始まります。


EL ZINE VOL.27
el zine vol.27

A4/表紙カラー・本文モノクロ/表紙含め全50ページ

●Fredrik Larzon
(MILLENCOLINのメンバーにして、TOTALITARやNO SECURITY等のJallo
Lehtoと共に、D-Beatパンク・バンドKVOTERINGENでも活動、また、レーベルDe:Nihil
Recordsを主宰しているFredrik Larzonへのインタヴュー)

●MILLENCOLIN & KVOTERINGENアルバム・ディスク・レヴュー
(両バンドのアルバム紹介)

●Jeff Burke from RADIOACTIVITY
(10月にジャパン・ツアーを敢行するテキサスのRADIOACTIVITY。その中心人物であるJeff Burke[ex.VOMIT
PUNX~MARKED MEN etc]へのインタヴューby HASHIMOTO氏/record KNOX)

●Knock Out Records
(90年代に一世を風靡した、ドイツのストリート・パンク/Oi!パンク・レーベル、Knock Out Recordsの主宰者であるMoshへのインタヴュー)

●G.A.T.E.S
(アルバムをリリースした東京メタル・パンク・バンド、G.A.T.E.Sのヴォーカルである根岸氏と、ギターの二ツ木氏へのロング・インタヴューby 鈴木智士氏)

●G.A.T.E.S Work’s Review
(今回のインタヴューの内容に沿った、G.A.T.E.Sの作品紹介by 二ツ木正康氏)

●Umea Punk City
(ex.AC4~現ACID BLOODのKarlによる、スウェーデンUmeaの現地情報コラム)

●SKIZOPHRENIAオーストラリア・ツアー・レポート
(ENZYME~ex.KROMOSOM/ex.PISSCHRISTのYeapの招聘により8月に行なわれた、SKIZOPHRENIAのオーストラリア・ツアー・レポートby
Yu!氏)

●Mark from Beach Impediment Records & AGGRESSION PACT
(リッチモンドのハードコア・レーベル、Beach Impediment Recordsの主宰者にして、ex.WASTED
TIME~現在はBOSTON STRANGLER等のメンバーと共に、AGGRESSION PACTで活動しているMarkへのインタヴュー)

●Life of Brazil & Japan
(ブラジルから日本へと帰ってきたKarasu Killer Records/DARGEのRafaによる、日本とブラジルでの生活に関するコラム)

●悲観レーベル
(ex.「悲鳴」~現「経血」「ブラジル人」「JHONETU-X」のメンバーであるツトム氏が主宰する、悲観レーベルへのインタヴュー)

●吐き気がする程ロマンチックなボクたち
(悲観レーベルとゆかりの深いバンド等の紹介テキストby
ツトム氏。紹介しているバンドは、悲鳴/タレナガシ/BAHOWA/illya/THE脱妄ズ/サリドマイド/えんだぶあ/解剖室/NONONO/ZETU/野晒/断絶間/ビル/猿芝居/経血/SICKz)

●LASHING SPEED DEMONS:D・O・T
(あぶらだこやTHE NURSEのメンバーらによるD・O・T へのインタヴューby 大越よしはる氏)

●KLONNS
(東京の新世代Blackened Hardcoreバンド、KLONNSへのインタヴュー)

●908
(10月にジャパン・ツアーを敢行するデンバーのグラインド・コア・バンド、908へのインタヴューby Rafa)

●チャレンジ・インタヴュー
(東陽一氏[ex.脳不安]/今村のりやす氏[Pogo 77 Records~TOM & BOOT BOYS])

(9/17編集済み)

16. September 2017 by sats
Categories: el zine, music | Tags: , | Leave a comment

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