20180109 -年末年始&松本編- | 焔と煙霧

20180109 -年末年始&松本編-

今年の年末年始は、相方akは国へ帰っているので私はひとり。久々に田舎でゆっくり過ごした。実家に帰るごとにやっているが、一向にまとまらない置きっぱなしの本やDVD、VHSを整理、ひたすら食べてNetflixを見て(「ボージャック・ホースマン」ようやく見終わった。Season 5が楽しみ)、年末年始も休みのない弟が仕事から帰ってきたら、酒を飲んでレコードを聴いて。ただ地元に遊ぶような友人はいないので(中学の同級から年賀状が来ていたが、「2人目の子ができた」「家を建てた」のダブルパンチで、新年早々いかにも世間一般の「地元らしさ」「36歳らしさ」の脅迫を感じ、ただまあ「真っ当に」生きてりゃそうだよねと再確認し…。彼は恐らくこのブログを見ていないでしょうが、見てたらごきげんよう。年賀状いらないからメールか電話ちょうだいね)、人がほとんどいない柳ヶ瀬の中、ワンコインで頑張っているロイヤル劇場で、高峰秀子が主演の木下恵介の映画『永遠の人』を見たり(なかなかドロドロした映画だった。田村正和がアカになってたよ)、名古屋へ出て昔のバンドメンバーと遊んだり、移転したノーリモースへ行ったり。こう書くとなかなか充実してるみたいだな。

今年は年が明けてから、松本へ行ってしばらく過ごした。松本周辺はいつ行ってもいいところだ。T君がいろんなところへ連れてってくれる。今回連れてってもらった諏訪の「片倉館」、昭和初期のゴシック建築温泉がおもしろくて、内装はあれは何なんだろうか、ギリシャ風とでもいうのか、そして大理石の大浴場の深い浴槽の底には黒い玉砂利が敷いてあって、歩くと気持ちいい。熱めの湯だけど。

あとは松本城の東側へ少し行ったあたりに、古民家古書店や古民家上映施設(?)があって、その古民家古書店・books 電線の鳥というお店は、少し本が置いてある土間から中へ、まるでお家にお邪魔するような感じで居間に入っていくと、なげしの上の棚や足元の小箱に古本が並べてあるというこれまでに見たことのないスタイル! 那覇の麻姑山書房もこんな居住スペース的販売スペースがあったが、こちらはテーブル、座布団もあってさらに「友人の家に遊びに来た」風。こういうやり方もあるんだな。福永武彦の「玩草亭 百花譜」だったと思うが、ケースの中に飾ってあったり、コーヒーやお茶も飲めて、落ち着いた雰囲気のいい場所だった。

その近くに小松方正の生家があったことはツイートしたので省略。

あと、松本に川島芳子記念館があるらしいということで行ってみた「松本市歴史の里」。松本インターからすぐのところにある、長野、松本に関係するものがごった煮的に集められた施設だが、行ったときが嵐みたいなひどい天候だったので早々と退散してしまった。そして昔の建物をそのまま使った施設はとても寒かった。野麦峠を越えた女工たちを思え、と言わんばかりに、その寒さもこの施設の体験の内なのだろう。
施設のメインとなる建物、明治時代の松本地方裁判所がそのまま残っていて、建物内、奥の法廷で当時の裁判の様子を録音テープで疑似体験できるのだが、再生されるテープの伝える被告の名前は鈴木さんで、検事の言によれば2人くらい人を殺していたので、私は困惑した。

鈴木さんを有罪にしようとする検事

鈴木さんを有罪にしようとする検事


nomugi
あとは先述の野麦峠関連の建築物が移設されたものや、それと比べるとずいぶんと豪華な木下尚江の生家、あと戦後に実際に使用されていた松本少年刑務所の独房なんてのもあった。「独房に入ってみよう」コーナーがあり、外から鍵がかけられるので、二人で行ったら簡単に一人を閉じ込めて帰ってこられる体験型施設だ。川島芳子の記念室(記念館と言うほどの規模ではなかった)は写真や新聞の切り抜きなどの資料が展示してあるだけだが、その隣の廊下にひっそりとシベリア抑留関連の展示があって、抑留時に実際に使われていた道具類やペラペラの防寒具など、こちらの方が真に迫るものがあった。中でも吉田勇という抑留者の描いた「戦友の葬式」という1枚の絵が見もの。この動画の方のようだ:

松本の夜は毎度のごとく、Cさんのところですしを頂いて、夜遅くまでダラダラといろんな話をしたのでした。

例年、年末年始は浮かれるよりも、ああまた別の1年がやってくるんだと気怠くなる方だが、今年は友人たちのおかげもあり、あまりそういう気分にはならずに済んだ。テレビやネットを見れば、相変わらずどうしようもないニュースや情報ばかり入ってきて気が滅入るが、正月が明けたら会社に行かなければならない、という圧迫感が今年はないからかもしれない。ちょっと先まで仕事がない、という別の切迫感はあるんだが…。

09. January 2018 by sats
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